「老人ホームへの差し入れはできるのか」
「老人ホームに差し入れする時のポイントを知りたい」
老人ホームに入居しているご家族に面会に行く際、どのような差し入れをしたら良いのでしょうか。
ここでは、老人ホームへの差し入れをする際の注意点から、差し入れを選ぶ際のポイントまで徹底解説していきます。
ご家族に喜ばれる差し入れをする上で知っておくべき重要なポイントになるため、ぜひ最後までご覧ください。
差し入れする際は老人ホームに確認しよう
老人ホームに差し入れをする際は、事前に施設に差し入れが可能かどうかを確認することをお勧めします。入居者の状態や感染症対策等の理由で、差し入れそのものを禁止している場合もあるためです。また、施設によっては、飲食物の持ち込みや、差し入れの受け取りにルールを設けている場合もあります。
差し入れがトラブルの原因になる事もあるので、事前に確認をするのが良いでしょう。
差し入れを断る老人ホームもある
差し入れの受け取りを辞退するという方針の施設もあります。
理由は、施設への差し入れをすることでの、ご家族の負担の軽減や、入居者への対応に不公平さが出てしまうことを避けるためです。
面会する度に差し入れをするとなると、家族に大きな手間と費用の負担がかかります。
また、老人ホーム職員への差し入れによって、入居者への対応をかえることはありませんが、差し入れを受け取ることで、職員が「良い対応をしなくてはいけない」と意識してしまうことがあります。
上記のような理由で、差し入れを断られる場合があるため認識しておきましょう。
では、入居者への差し入れが可能な場合、どのような差し入れが喜ばれるのか、次に解説していきます。
入居者に喜ばれる差し入れとは
施設で入居者への差し入れを許可している場合でも、飲食物については特に注意が必要です。入居者の中には、持病や嚥下(えんげ)状態の問題を抱えている方も多くいます。下記のような理由により、飲食物の制限がかかっている場合もあります。
- 高血圧、糖尿病などでカロリー制限がある
- 飲み込みが悪く、喉に詰まらせやすい
- 塩分制限がある
このような事情により、差し入れを持参しても、食べられない場合があります。
入居者から「持ってきてほしい」と頼まれたものでも、必ず施設職員に確認するようにしましょう。
では飲食物に制限がない場合は、どのような差し入れがよいのか。
入居者に喜ばれる差し入れをご紹介します。
お菓子やジュースなど
ご家族からの差し入れで喜ばれるものに、お菓子やジュースがあります。
老人ホームでは、1日3回の食事と、間食でおやつが提供されています。しかし、自宅での食事とは異なり、自分好みのものばかりとは限りません。また、施設の食事は管理栄養士が栄養バランスを考慮した献立になっており、味付けが薄いなど物足りなさを感じることもあるかもしれません。
そのため、普段食べられないお菓子やジュースの差し入れは喜ばれます。
喜ばれる飲食物
- プリン
- ヨーグルト
- ゼリー
- ヤクルト
- ジュース
- 栄養ドリンク
施設の入居者は、飲み込みの機能が低下して、食事形態に制限があることもあります。
そのため、柔らかいプリンやヨーグルト、ゼリーなどは食べやすいでしょう。
また、飲み物はヤクルト、ジュース、栄養ドリンクなど、ストローで飲みやすいものを選ぶようにしましょう。
お菓子の中でも、クッキーやせんべいを好む方もいますが、硬くて飲み込みにくいものは、誤嚥(ごえん)の危険があるので、注意が必要です。
衣類や日用品
面会に来られる際に、衣類や日用品の差し入れを持ってこられる方もいます。施設にも、日常的に使うものは用意してありますが、入居者の好みに合うものばかりではありません。また、施設では自由に買い物に行けない事もあるため、入居者の好みのものを差し入れすると喜ばれる事も多いです。
衣類や日用品の差し入れは、食べ物のように断られることも少ないです。
- 着脱しやすい衣類や肌着
- ひざ掛けや上着
- 趣味のもの
入居者が買い物に行けない場合、好みのものを持ってきてもらえると、喜ばれます。
また、入居者の趣味のものとして、手工芸やその材料も喜ばれます。
中でも、折り紙、毛糸、塗り絵などは、手軽に工作ができるためお勧めです。入居者の好みをあらかじめ聞いておくと良いでしょう。
差し入れとして好ましくないものは?
これまでは喜ばれる差し入れについて紹介しましたが、反対に入居者への差し入れで避けたいものもあります。施設や他の入居者への影響もあるため、避けた方が良いものを次に紹介します。
弁当や出前など
お弁当や出前の差し入れは、避けた方がよいでしょう。
施設では1日3回の食事が提供されています。弁当や出前を持っていくとなると食事の数の調整や、また事前申請が必要となる場合もあるため入居者や職員の負担になりかねません。そのため、できれば持ち込みは避けるようにしましょう。
また、軽食やおかずなどは、施設職員の許可が得られると持参できます。
面会時に食べきれる分量や、その後の食事に響かない量にする等、考えて持参すると良いです。
他の入居者にはいらない
他の入居者への差し入れも避けるようにしましょう。
入居者の持病やアレルギーによっては、かえってトラブルになる事もあります。また、飲食物の場合は体調不良や誤嚥(ごえん)を引き起こす原因にもなりかねません。
また特定の入居者だけに差し入れをすることで、入居者同士の人間関係のトラブルになることもあります。
「あの人だけもらって、自分はもらえなかった」
「もらったからお返しをしなければいけない」
など不公平感や他の入居者の負担にもなりえます。
お礼を伝えるためにどうしても差し入れをしたいなどの場合は、必ず事前に施設職員に相談しましょう。
まとめ
老人ホームへの差し入れは、入居者にとって楽しみでもあります。
入居者が喜ぶ差し入れを選ぶポイントや注意点を下記にまとめました。
- 差し入れをする際は事前に施設に確認する
- 差し入れを辞退する施設もある
- お菓子やジュースは喜ばれるが食事形態に留意する
- 衣類や日用品も喜ばれる
- 弁当や出前は避けた方がいい
- 他の入居者への差し入れも避けた方がいい
入居者が喜ぶ差し入れをすることで、施設での生活が充実したものになることを願っています。