老人ホーム探しの相談は誰に?そのポイントを徹底解説

「沢山ある老人ホームの中のどれを選んだらいいのかわからない…」
「老人ホーム探しで、相談できるところってないのかな?」

あなたや大切な人の「終の棲家」になるかも知れない老人ホーム。

入居に必要な費用はもちろんのこと、施設の評判も気になるところですよね。

老人ホーム探しの疑問に、なんでも答えてくれる相談先はあるのでしょうか?

ここでは、あなたに合った相談相手や、
相談前に確認しておきたい5つのポイントまで徹底解説していきます。

老人ホーム選びで失敗しないために、ぜひ参考にしてくださいね。

老人ホーム探しは誰に相談すればいい?

老人ホームを探す。
ひと昔前なら広告や人伝い、または電話帳で調べる人もいたかもしれません。

現代はインターネットが普及したことで、
ネット経由で探す人が多いのではないでしょうか。

ネット上での口コミや評判を参考にすることもできますね。

それでも、思っている以上に施設の種類が多いため、
自分に合う施設がどのタイプなのか、その施設の長所や短所は何なのか。

きっと疑問がたくさん出てくることでしょう。

「やっぱり誰かに相談しながら決めたい!」

そう感じたあなたへ。

つぎに「どこで」「だれに」相談したらよいのか、解説していきます。

老人ホームに関する各相談窓口

老人ホームの相談窓口は、下記になります。

基本的には無料で相談できますが、
一部有料の場合もあるので、念の為確認をしておきましょう。

  • 担当のケアマネージャー
  • 地域包括支援センター
  • 高齢者総合相談センター
  • 民間の紹介センター
  • 施設の入居相談員

担当のケアマネージャーがいる場合

要介護認定を受けていて、既にお世話になっているケアマネージャーがいる場合、
まずは担当のケアマネージャーに相談してみましょう。

経済状況や家族との関係、詳しい身体状況まで把握しているケアマネージャーなら安心です。

費用を安くおさえたい場合

所得が国民年金のみであったり、生活保護を受給している場合、
入居できる老人ホームがあるのか
、不安に思われていることでしょう。

安心してください。

所得が少なくても入居ができる場合があります。

相談窓口としては、公的機関である下記がおすすめです。

  • 地域包括支援センター
  • 高齢者総合相談センター

すべての高齢者が対象であり、介護にかかわらず、
生活上での困りごと全般についての相談を受けつけています。

地域包括支援センターの設置主体は市区町村、
高齢者総合相談センターの実施主体は都道府県です。

これらは、社会福祉協議会や社会福祉法人、医療法人や財団法人など、
民間団体に委託している場合もあります。

通話料は自己負担ですが、局番なしの「#0808」に電話をかけると
「高齢者総合相談センター」につながります。

こちらの記事では年金だけでも入居できる施設や方法について、詳しく紹介しています。
http://老人ホームへ年金で入居できる?その方法と注意点

また、生活保護受給者でも入居できる施設については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
http://生活保護でも老人ホームは入れる?その理由と方法を解説

出典:厚生労働省 地域包括支援センターの概要

民間施設の詳しい情報が知りたい場合

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、
民間施設の詳しい情報が知りたい場合は、民間の紹介センターがおすすめです。

公的施設の特別養護老人ホームなどは入居費用が安いため人気が高く、
施設によっては待機期間が数年に及ぶこともあります。

また、介護度が要介護3以上でなければならないため、ハードルが高いのが現状です。

有料老人ホームは要介護1から可能な施設があり、趣味や行事、
提供される食事なども、それぞれの施設の特色を打ち出しているところが多いです。

老人ホームを探す際、都心よりも郊外、都会よりも地方の方が、
入居費用を安くおさえることができます。

民間の紹介センターは、全国の幅広い情報を持っているため、
たくさんの選択肢から選ぶことができます。

流れとしては、面談時に経済状況や身体状況などのヒアリングをして、
専門のスタッフがあなたに合った施設を選びます。

関心がある施設が決まれば、紹介センターが見学や体験入居の申し込み、
その時の同行もしてもらえるので安心です。

比較検討するために、できれば3ヶ所は見学に行くことをおすすめします。

また、入居手続きの際にも同行してもらえるので、
契約の時に重要事項を確認し忘れることもありません。

原則、無料で相談できますが、一部で有料のところもあるようです。

「入居祝い金」をもらえる紹介センターもあるので、あわせて確認してみましょう。

老人ホーム探しでは施設の種類や特徴も把握しておこう

老人ホームには大きく分けて、「自立型」と「介護型」があります。

介護型は、要介護認定を受けている、介護が必要な高齢者が対象で、
介護保険制度による介護サービスを施設のスタッフが提供しています。

自立型は、介護を必要としない、要介護認定を受けていない高齢者も入居することができる施設です。

食事、洗濯、掃除といった生活支援サービスを受けることができますが、
要介護状態となり、介護が必要となった場合、
外部の訪問介護事業所や通所事業所などと契約することになります。

なかには、入居者が在宅サービスを受けやすいように、
訪問介護事業所や、デイサービス、居宅介護支援事業所などが併設されている施設もあります。

自分に合う施設がどのタイプか、下表を参考にしてください。

種類 年齢 介護度・その他条件 入居一時金 月額利用料 終身
公的施設 特別養護老人ホーム 65歳以上 要介護3以上 なし 5~15万円
介護老人保健施設 65歳以上 要介護1以上
(在宅復帰のリハビリ目的のため入所期間は原則3ヶ月)
なし 5~15万円 ×
介護医療院 65歳以上 要介護1以上
(日常生活を送る中で高度な医療ケアを必要とする場合)
なし 5~20万円
ケアハウス(介護型) 65歳以上 要介護1以上 数十~数百万円 6~20万円
ケアハウス(自立型) 60歳以上 原則、健康状態に問題がないこと
(家で生活することが困難で家族の援助も難しい場合)
30万円 6~十数万円
民間施設 介護付き有料老人ホーム 65歳以上 要介護1以上 0~数千万円 20~50万円
住宅型有料老人ホーム 60歳以上 自立から軽度の介護が必要
(要介護5まで可能な施設もある)
0~数百万円 10~50万円
サービス付き高齢者向け住宅 60歳以上 自立から軽度の介護が必要
(要介護5まで可能な施設もある)
0~数十万円 10~30万円
グループホーム 65歳以上 要支援2以上
(認知症の診断があり事業所と同じ市町村に住民票があること)
0~数十万円 10~20万円

相談前に確認しておきたい5つのポイント

入居希望者と家族の間で、下記の5つのポイントについて話し合っておくと、
スムーズに相談を行うことができます。

  1. 健康状態
  2. 入居期間
  3. サービス
  4. 予算
  5. 立地

①健康状態

介護がどの程度必要か、入居者本人が望むことだけではなく、
家族が日ごろ感じていることを伝えることも大切です。

以前よりも明らかに介護が必要になってきていると感じているなら、
介護度を上げる必要があるかもしれません。

担当のケアマネージャーや、要介護認定をまだ受けていない場合は
地域包括支援センターへ相談してみましょう。

また、在宅酸素の管理や、経管栄養・定期的な喀痰吸引などの医療的ケアが必要な場合、どこの施設でも受け入れ可能なわけではないので、確認が必要です。

認知症についても、人に危害を加えたり、大声を出すなどの行為がある場合は、
受け入れ可能な施設の選択肢は少なくなってしまいます。

②入居期間

老人ホームへの入居理由はさまざまです。

骨折や肺炎などで長期入院となり、家でまた生活できるようにリハビリ目的で入居する「介護老人保健施設」は原則3ヶ月と決まっています。

現状、仕事が忙しく親の介護ができないため、
退職するまでの数年間だけ老人ホームに入ってもらおうと考えている家族もいるでしょう。

また、最期まで看てもらえる施設を望む人も多いです。

入居期間によっても選ぶ施設の種類は変わります。

高齢者にとって環境を変えることは大きな負担になります。

数年後に転居しなくてはならない事態を避けるため、事前にしっかりと話し合っておきましょう。

③サービス

老後の生活に、入居者本人が望むものは何でしょうか?

「季節を感じられる、美味しいご飯が食べたい」
「ひとりは寂しいから、いつも話し相手がいるような環境がいい」
「趣味のヨガができる施設がいい」
「できるだけ、自由な環境がいい」

など、さまざまな希望があるはずです。

入居前に、しっかり話し合い、自分の想いを伝えて、
後悔のない老後をおくれるようにしたいですね。

④予算

入居費用がいくらかかるのか?予算は重要ですよね。

本人の年金だけで入れるところがいいのか、家族がいくらか支援するのか、
事前に確認しておきたい最重要ポイントです。

ここで無理な計画を立ててしまうと、後悔することになります。

環境の変化によって、支払いが続けられなくなってしまうことがないように、
余裕をもったプランを立てましょう。

こちらの記事では、思わぬ事態により支払いができなくなってしまった時の対処法を紹介しています。
http://老人ホームの費用が払えない!困った時の対処法を徹底解説

⑤立地

家族が通いやすい立地に施設があるのか、
面会に行く家族にとっては大きな問題です。

家族も高齢になればマイカーを手放し、
公共の交通機関を使って面会に行くことになります。

入居を決める際には、駅やバス停が近くにあるのか確認しましょう。

ただし、便利な施設は費用面では割高になります。

費用をおさえる必要がある場合、
あえて立地があまり良くない施設を選択することも一つの手かもしれません。

反対に、立地の良い場所を選んで頻繁に通い、
洗濯や必要な買い物を家族が行うことで費用をおさえる方法もあります。

施設からの緊急の呼び出しにも対応する必要があるため、慎重に検討しましょう。

まとめ

老人ホーム探しの相談は誰にしたらよいか、ポイントについて解説しました。

  • 老人ホームに関する相談窓口の種類
  • 老人ホームや施設の種類や特徴
  • 相談前に行いたい5つのポイント

インターネットが普及したとはいえ、
たくさんある老人ホームの中から、希望通りの施設を探すことは難しいです。

ここで紹介してきたポイントをおさえて進めていけば大丈夫。

「終の棲家」になるかもしれない老人ホーム探し。

後悔のないように、あなたに合った場所を見つけてください。

最新情報をチェックしよう!