老人ホームと介護施設の違いとは?種類や特徴も解説

 

老人ホームと介護施設の違い

ご自身やご家族が何らかの理由で「老人ホーム」や「介護施設」に入所する時が来るかもしれません。

「老人ホーム」と「介護施設」は一体どのように区別しているのでしょうか。

「介護施設」…介護が受けられる施設全般

介護が必要なご高齢の方や、障害をお持ちの方が入所される施設は「介護施設」に含まれます。

また、介護施設によっては、「泊まれる施設」「通所施設」とでサービスが異なるため注意が必要です。

受けられるサービスには、食事の提供や介助、入浴/排泄の介助、洗濯や掃除、健康管理なども含まれています。

「老人ホーム」…介護施設の中でも、高齢者を対象とした施設

「介護施設」と「老人ホーム」の定義については、明確に定義付けはされていないため、本記事はあくまでも参考としてご一読いただけますと幸いです。

老人ホームや介護施設には、公的施設と民間施設があります。

「公的施設」…設置主体が自治体や社会福祉法人の施設

「民間施設」…それ以外の法人が設置主体の施設

民間施設と公的施設のそれぞれの特徴や違いを見ていきましょう。

民間施設の特徴や種類

民間施設は主に6種類。民間施設の特徴や種類を下記の表にまとめました。

種類 特徴
介護付き有料老人ホーム 介護スタッフによる24時間のサービスが受けられる。入居もしやすく看取りまで行ってくれる施設がある。「特定施設入居者介護」を提供する許可を受けている。
住宅型有料老人ホーム 生活の支援と見守りが受けられる。軽度の介護で生活ができる人が対象の施設。施設によって受けられるサービスに違いがあるため、入居前に確認が必要。
健康型有料老人ホーム 自立している人が対象。生活の支援と見守りサービスが受けられる。介護度が高くなると、他の施設へ移る必要がある。
グループホーム 認知症の方が入所する施設。24時間の介護サービスが受けられる。入居している人は認知症の人なので、スタッフも認知症の方のケアに慣れている。
サービス付き高齢者向け住宅 対象の住宅を賃貸して入居し、安否確認や生活の相談が受けられる住宅のこと。ゴミ出しや買い物の代行、病院の付き添いなどを受けられます。介護が必要な人は、訪問介護サービスなど外部事業者のサービスを受けることができる
シニア向け分譲マンション 介護付きのマンション。マンションを賃貸するのではなく、購入して入居する。高齢者が生活しやすい設計となっており、介護が必要な場合は、外部業者に委託することになる。食堂やレストランが併設されている場合がある。

公的施設の特徴や種類

公的施設は主に5種類。公的施設の特徴や種類を下記の表にまとめました。

種類 特徴
特別養護老人ホーム 食事などの生活介助や入浴、排泄などの身体介助を受けることができる。また、清掃や洗濯などの生活介護も受けられる。重度の認知症の方でも入居可能で日中は看護師が勤務。入居は申し込みの順番ではなく、介護度や家族の状態によって考慮され、緊急度が高い方から入所となる。
介護老人保健施設 病院と自宅の中間の位置付けで、自宅での生活を目指すための施設。看護師による医療的ケアや理学療法士など専門スタッフからのリハビリテーションを受けることができる。
介護療養型医療施設 医師が配置されているため、医療的ケアが受けられる。痰の吸引、カテーテル、経鼻経管栄養といった医療ケアが充実しており、専門職によるリハビリも受けられる。
軽費老人ホーム(A・B型) 身寄りのない高齢者が自宅での生活に不安を感じる場合、自治体の助成で低価格で入居できる施設。「A型」は食事提供があり、「B型」は食事提供がない。要介護状態となった場合は、在宅サービスを受けることができる。
ケアハウス(C型) 「一般型」の場合、食事、安否確認、生活相談サービスを受けられる。介護が必要になった場合、外部の事業所と契約し、訪問介護などの在宅サービスを利用することができる。「介護型(介護度1以上)」の場合は施設のスタッフから介護を受けられる。

老人ホーム・介護施設を入居条件の比較

民間施設と公的施設の特徴について知った上で、気になるのは入居条件です。

下記の表に入居条件をまとめました。

種類 入居条件
介護付き有料老人ホーム 「介護専用型」は介護度1〜5、「混合型」は介護度1〜5と自立、要支援の方も対象
住宅型有料老人ホーム 対象者はその施設によって異なるため、施設に問い合わせる必要あり
健康型有料老人ホーム 自立した高齢者が対象
グループホーム 要支援2以上。原則65歳以上の高齢者。施設がある自治体に住民票がある人が入居可能
サービス付き高齢者向け住宅 60歳以上の方
シニア向け分譲マンション 高齢者の方
特別養護老人ホーム 介護度3以上
介護老人保健施設 介護度1以上で退院後自宅での生活が難しい方。入居期間は3〜6ヶ月(例外あり)
介護療養型医療施設 医学的管理が必要な介護度1以上
軽費老人ホーム(A・B型) 夫婦のどちらかが60歳以上で、自分で身の回りのことができ、月収が34万円以下の方が対象(夫婦でなくても可)
ケアハウス(C型) 夫婦のどちらかが60歳以上で、自分で身の回りのことができる(夫婦でなくても可)A・B型と違うのは所得制限がないこと。「介護型」の場合は介護度1以上が対象

介護施設の相場とは

特徴や入居条件だけでなく、かかる費用は非常に重要といえるでしょう。

下記に相場を表にまとめましたので、参考にしてください。

種類 おおよその相場
軽費老人ホーム(A・B型) 自治体の助成で低価格で入居可能。
ケアハウス(C型) 自治体からの助成で運営されているので比較的低賃金で入居できる。
介護老人保健施設 4人部屋で9〜12万円、2人部屋や個室は特別料金が加算されます。初期費用はなし。
介護療養型医療施設 4人部屋で9〜17万円、2人部屋や個室は特別料金が加算されます。初期費用はなし。
特別養護老人ホーム 「新型」で15万円前後、「旧型」で10万円前後。
サービス付き高齢者向け住宅 初期費用は数十万から数千万円。月額費用も5〜25万円。立地条件等により異なる。
健康型有料老人ホーム 入居金は0〜数億円。月額費用は0〜40万円程度。
グループホーム 月額料金に加え、初期費用や保証金が必要な場合あり。
シニア向け分譲マンション 物件により異なる。
介護付き有料老人ホーム 入居時に支払う入居金と、月額料金が必要。費用はその施設によりかなり異なるため、相場での表現は難しい。
住宅型有料老人ホーム 入居時に支払う入居金と、月額料金が必要。費用はその施設によりかなり異なるため、相場での表現は難しい。

介護保険制度は必ず把握しておこう

老人ホームや介護施設に入所するとき、必ず関係してくるのが介護保険です。

施設の入所費用や月々の料金とは別に介護保険の負担分が加算される場合があります。

施設によっては、自立して入居された方に介護が必要な場合、外部の事業所へ委託して、介護サービスを利用する場合があります。

その際、介護保険のサービスを使用することになります。介護保険のサービスは1〜3割の自己負担が発生します。

訪問介護を使用する場合、生活援助を受けるか身体介護を受けるかでサービスの単価が変わってきます。

また、家事援助の場合45分未満か45分以上かでも単価が変わります。身体介護も時間によって単価が変わります。

入居している施設の毎月の費用に合わせて、介護保険の負担が加算されるので注意が必要です。

特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、介護保険の被保険者になっていないと入所できない施設もあります。

また、月々の費用も介護保険と密接に関係している施設もあります。

老人ホームや介護施設を探すときのポイント

老人ホームに介護施設、沢山種類があると悩んでしまうでしょう。

施設によっては入居一時金が必要なところもあるため、初期費用や月額費用をしっかりと確認しておくことをお勧めします。

また、入居や退去の条件、施設がどんな理念でサービスを提供しているかも併せて確認しておくと、選択する際の良い材料になるかもしれません。

ポイントを押さえ、入居される方がどんなニーズを持っているかを確認した上で、老人ホームや介護施設を比較し選択しましょう。

まとめ

「老人ホーム」「介護施設」の違いや特徴について解説をしました。

施設には様々な種類があり、サービスや費用や、条件、入居の目的が違います。

本記事で解説したポイントを押さえ、入居される方に合った施設を選択していただけたらと思います。

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