【徹底解説】老人ホームは何歳から入れる?

「ゆくゆくは老人ホームに入りたいけど、どうしたらいいんだろう?」
「親との同居は難しい。老人ホームを探したいけど、何歳くらいで入るものなの?」
「老人ホームに入るきっかけって何?」

老後の不安をかかえ老人ホームを検討しているあなたへ。

「もう限界かも」と思って、あわてて探し始めたのでは間に合いませんよ!

そのときに後悔しないために、老人ホームへ入居するまでのスケジュールを今から立てておくことが大切です。

「終の棲家」となるかもしれない老人ホーム探しのさまざまなタイミング。

そのタイミングで失敗することのないように、これから徹底解説していきます。

老人ホームの現状を知って、あなたにぴったりな老人ホームを見つけましょう。

老人ホームは何歳から入れる?

老人ホームの入居年齢は、一般的には60歳以上または65歳以上となっています。

この違いは介護サービスの違いによるものです。

介護保険が使えるのは、原則65歳です。

そのため、介護サービスを提供することを条件としている施設においては65歳以上、外部委託など介護サービスを個別契約としている施設は60歳以上となっています。

しかし、介護保険法施行令第2条で定めている下記の「特定疾病」があり、この疾病を原因とする介護が必要と認定された場合、40歳から介護保険が使えます。
全ての施設が受け入れているわけではないので、受け入れ可能か相談してみましょう。

がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
関節リウマチ
筋萎縮性側索硬化症
後縦靱帯骨化症
骨折を伴う骨粗鬆症
初老期における認知症
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
【パーキンソン病関連疾患】
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
早老症
多系統萎縮症
糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
脳血管疾患
閉塞性動脈硬化症
慢性閉塞性肺疾患
両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

出典
:厚生労働省特定特定疾病の選定基準の考え方

【60歳以上の施設】・・・介護サービスが利用料に含まれておらず、介護サービスを希望する場合は個別契約となる。

  • ケアハウス(自立型)
  • 住宅型有料老人ホーム(自立型)
  • サービス付き高齢者住宅

【65歳以上の施設】・・・利用料に生活に必要な介護サービスが含まれている。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • ケアハウス(介護型)
  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム(介護型)
  • グループホーム
  • 介護療養型医療施設(2024年3月末に廃止)
  • 介護医療院(介護療養型医療施設の廃止により新設)

老人ホームの入居条件

老人ホームには、地方公共団体や社会福祉法人が運営する「公的施設」と、民間企業が運営する「民間施設」があります。

【公的施設】

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • ケアハウス
  • 介護療養型医療施設(2024年3月末に廃止)
  • 介護医療院(介護療養型医療施設の廃止により新設)

民間施設は経営者の経営理念に基づいた運営となるため、入居条件となる年齢条件や要件はさまざまです。

一般的には、介護付き有料老人ホームは要介護1以上、住宅型有料老人ホームは介護度の条件を設けていません。

しかし、公的施設については、以下のように明確に入居条件の基準が定められています。

 

特別養護老人ホーム 65歳以上 要介護3以上
介護老人保健施設  65歳以上 要介護1以上
ケアハウス(介護型) 65歳以上 要介護1以上
ケアハウス(自立型) 60歳以上 家で生活することが困難で家族の援助も難しい場合
介護療養型医療施設 65歳以上 要介護1以上で医学的管理が必要な場合
介護医療院  65歳以上 要介護1以上で日常生活を送る中で高度な医療ケアを必要とする場合

 

 

老人ホームの入居は何歳からが最適か

だれもが元気なうちは家で過ごすことを望んでいます。

気兼ねなく、自由に過ごしたいと思うのは当然ですよね。

しかし、「食事を用意するのがめんどうだ」「家が散らかっていても片づける元気がない」となるとどうでしょう?

健康寿命とは、日常の生活をだれかに依存することなくおこなえ、病気や障害などで生活を制限されない、健康に生活できる期間をいいます。

厚生労働省の統計調査では、令和元年度の健康寿命は男性が72歳、女性が75歳となっています。

また、健康寿命から平均寿命までの期間は男性は8~9年、女性は12~13年となっており、介護や病院などに依存した生活が、10年前後あると考えられます。

出典:厚生労働省 健康寿命の令和元年値について

統計調査は、あくまでも目安なので、もっと高齢でも元気な方はおられます。

しかし、だいたいの予想をつけて、これからの計画を立てておくことが老後の安心につながるのです。

平均値でみた場合、70歳を超えたくらいから75歳くらいまでには入居するのが最適な時期と言えるでしょう。

老人ホームは何歳ごろから探し始める?

老人ホームへ入居する最適な時期を70歳を超えたくらいから75歳くらいまでと考えるのであれば、探し始めるのは何歳ごろがよいのでしょうか?

まず、失敗しない老人ホームの探し方のポイント5つについて解説します。

  1. 理想の老後の過ごし方をイメージする
  2. 条件に優先順位をつける
  3. 老人ホームの資料を集める
  4. 複数の施設を選び、見学に行く
  5. 良かった施設の体験入所をする

①理想の老後の過ごし方をイメージする

老人ホームとひとくちに言っても、さまざまな種類があります。

医療や看護がしっかりした施設、比較的元気な入居者が多い施設、利用料金が安い施設など、自分の求める老後の過ごし方に合ったタイプの施設を選びましょう。

②条件に優先順位をつける

老人ホームのタイプを選んだら、これだけは譲れないと思うものの優先順位をつけていきましょう。

たとえば、

  • 食事が美味しい
  • 大きなお風呂がある
  • 趣味や娯楽がある
  • 料金が安い
  • 医療ケアが充実している

このほかにも、あなたのこだわりのポイントがあるはずです。

そして、反対に妥協も必要です。

まずは、あなたが求める施設とはどんな所なのかを絞っていきましょう。

③老人ホームの資料を集める

インターネットなどで検索して、施設を特定していきます。

その際、かならず複数の施設を選んでください。

資料をとりよせて比較することで、新しい発見があるでしょう。

④複数の施設を選び見学に行く

これだと思う施設を選んで、見学に行きましょう。

いくつかの施設を見てまわることで、それぞれの良いところや悪いところが発見しやすくなります。

⑤良かった施設の体験入所をする

施設の全体像を知るには、見学だけでは不十分です。

最終的にひとつの施設に絞ったところで体験入所をしてみましょう。

いざ自分が入所したときのイメージをしてみてください。

もしも違和感を感じるようであれば、また別の施設を探しましょう。

 

いかがでしょうか?

これだけの労力がいる施設探し。

「もうひとり暮らしは限界だ」と思ったときに、これだけのことができるでしょうか?

統計でみた健康寿命は男性が72歳、女性が75歳でした。

自分にぴったりな老人ホームを選びたいなら、元気なうちに探し始めることをおすすめします。

平均何歳ぐらいの方が老人ホームに入居しているのか

厚生労働省の統計調査によると、いずれの施設も80歳以上の入居者が、ほぼ8割か8割を超えています。

元気なうちから入れる有料老人ホームにおいても、70代は2割もいません。

健康寿命が男性が72歳、女性が75歳なので、大半の人が健康なうちは自宅で生活することを選択しているようです。

 

出典:厚生労働省 5 介護保険施設の利用者の状況

 

出典:厚生労働省 高齢者向け住まい及び住まい事業者の運営実態に関する調査研究 報告書

 

老人ホームを探すきっかけは?

いずれは老人ホームに入ろうと思っているけれど、それはいつ、どのようなタイミングでやってくるのでしょうか?

ケース①ひとり暮らしの80歳女性(子共は町内在住)
自宅で転倒し、大腿骨近位部骨折のため入院。その後、車椅子生活となる。
病院から介護老人保健施設へ移り、在宅での生活をめざしてリハビリを行ったが、また転倒したらと不安があった。
家の改修が必要になることや子どもに負担をかけたくないため、家族と相談して入所できる施設を探すことになった。

ケース②夫と二人暮らし(子供は県外在住)の75歳女性
筋萎縮性側索硬化症を患い、自宅で夫と在宅サービスによる介護をうけていたが、夫が高齢になり介護負担が限界となる。
そのため、夫が探した介護医療院へ入所となった。

ケース③ひとり暮らしの58歳独身男性
若年性認知症(若年性アルツハイマー)を患っており、腰部圧迫骨折にて入院。
退院時、医師は病気の進行により、日常生活を送ることが困難と判断。
身内は高齢の姉しかいないため、入所施設が見つかるまで病院併設の介護老人福祉施設へ入所となる。

このように、さまざまなケースがありますが、そのときは「突然」に、やってくることが多いのです。

豊かな老後を迎えるためにも早めの資金計画を

「まだ先のことだと思っていたから、なんの準備もしていなかった」

このような後悔をしないように、豊かな老後を迎えるための資金計画をしておきましょう。

選択肢が多くサービスが充実している、民間施設の有料老人ホームは、入居一時金が必要なところが多く、初期費用を用意しておく必要があります。

自宅を担保にして融資を受ける住宅に関する制度や、老人ホームの費用に対する減免・軽減制度など。

さまざまな制度を活用することで、手が届かないとあきらめていた施設も入居できるかもしれません。

 

下記の看取りの状況から、どの形態の老人ホームも「終の棲家」と言える状況になってきているようです。

看取りの状況(平成30年)は「サービス付き高齢者向け住宅」で22.4%、「住宅型有料老人ホーム」で27.6%、「介護付有料老人ホーム」で34.9%となっています。
※出典:平成30年度 老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分) 「高齢者向け住まいにおける運営実態の多様化に関する実態調査研究」 報告書より

老後の計画をいまからしておくことで、あなたが理想とする豊かな老後を送りましょう。

まとめ

自分に合った理想の老人ホームを探すために、さまざまなタイミングや年齢について解説してきました。

  • 老人ホームは何歳から入れる?
  • 老人ホームの入居条件
  • 老人ホームの入居は何歳からが最適か
  • 老人ホームは何歳ごろから探し始める?
  • 平均何歳ぐらいの方が老人ホームに入居しているのか

老人ホームの現状を知って、あなたに合った老人ホーム探しの計画を立ててください。

いつやるのか?それは「いま」かもしれませんよ。

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