「老人ホームに入っても、家族と一緒に外食したい」
「みんなが集まるお盆やお正月は、一緒に過ごせるようにしたい」
老人ホームに入居したら、自由に外出や外泊ができないのではないかと思っていませんか?
施設によって制約はありますが、老人ホームへ入居しても外出や外泊は可能です。
これから解説する注意点を知っておけば、安心してお出かけすることができますよ。
老人ホームは外出・外泊は可能なのか?
老人ホームへ入居しても、基本的に外出や外泊を認めている施設は多いです。
ただし、施設ごとにルールがあるため、外出や外泊を希望する場合は、事前に申請しておく必要があります。
当日の急な申し出だと断られてしまう可能性があるため、遅くても前日のお昼くらいまでには申請しておきましょう。
老人ホームでは、防犯のために玄関などの出入り口にセキュリティーシステムを設けています。
あらかじめ門限や老人ホーム内での外出ルールを確認しておき、余裕を持って外出日をスタッフに伝えておくことをおすすめします。
移動手段は?
高齢者にとって、外出は心身への負担が大きいため、移動手段を計画しておくことは重要です。
バス停や駅が近くにあったとしても、人混みで体力を消耗してしまうため、シルバーカーや車椅子での移動が必要な場合は、介護タクシーを利用すると良いでしょう。
介護タクシーのドライバーは、介護の有資格者でもあるため安心です。
車椅子に乗ったまま乗り込むことができたり、寝たきりの場合でも持ち込みのストレッチャーに移乗してもらえたりと、安全に移動することが可能です。
但し、介護保険適用サービスでない場合は実費になるため、まずは施設のスタッフに相談してみましょう。
また、予約が必要なため、早めに手配しておく必要があります。
近所での買い物や、施設が提携する医療機関への通院であれば、施設のスタッフが車で送迎してくれる場合もあります。
その際、施設によっては別途料金が発生することもあるので、確認しておきましょう。
外出時、外泊時にも利用料は発生する
外出や外泊で居室を空けても、家賃や管理費の費用は発生します。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなどは、長期の外泊により給付額が減ってしまうことから、月ごとの外泊日数に制限を設けている施設もあります。
また、長期入院の場合でも、ほとんどの施設で家賃や管理費の費用は免除になりません。
すぐに退居処分になることはありませんが、2ヶ月以上の入院や退院の目途が立たない場合は退居を迫られる場合もあります。
退院後に特別な医療措置が必要になった場合なども、その施設で対応が難しくなるときは、退居しなければなりません。
契約の際に、退居要件について確認しておきましょう。
外出時、外泊時周辺の医療機関は確認しておこう
遠出をする場合、事前に周辺の医療機関について調べておくことも重要です。
安心して楽しめる状況をつくるためにも、出先での緊急事態を想定し、医療機関が近くにある目的地を選ぶことをおすすめします。
食事がいらない場合は連絡すること
外出や外泊で食事をキャンセルしても、当日ではキャンセル扱いにならない場合があります。
余計な食費を請求されることがないように、早めに伝えておきましょう。
施設によってキャンセルを受け付けるルールが違うため、いつまでに申請すれば良いのか確認しておく必要があります。
心身には負担をかけないようにしよう
生活リズムを崩さない事は、心身の健康を保つ上でとても重要です。
特にご高齢の方、認知症を患っている方にとって、生活リズムの崩れは顕著に影響が出ます。
外出や外泊をする際、施設での生活リズムと合わせるようにするためにも、ふだんの様子を施設のスタッフに確認しておくと良いでしょう。
食事介助が必要な場合は、食事の形態や量、タイミングなどの確認も必要です。
また、薬の服用方法、排泄の間隔やタイミングなど、注意事項についても聞いておくと安心です。
外泊や外出先の生活は充実させよう
ここまでの注意点を参考に、外出や外泊をする際は、しっかりとスケジュールを立てましょう。
旅行をしたいが、付き添いを頼む家族がいない場合、また家族が介護に慣れていないなど不安がある場合は、旅行に同行してくれる「トラベルヘルパー」を検討してみましょう。
また、バリアフリー対応の宿泊施設も多くあるため、必要な情報を集めておき、外出先で安心安全に過ごせるように計画をしましょう。
まとめ
いくつか制限はありますが、老人ホームに入居しても、これまで通り外出や外泊を楽しむことができることが、お分かりいただけたでしょうか?
外出や外泊をする際は、以下の点に注意しましょう。
- 事前に施設のスタッフに許可をとる
- 介護タクシーを頼むなど移動手段を考えておく
- 食事のキャンセルは早めに伝える
- 外出先での緊急時の医療機関を調べておく
- 生活リズムを崩さないようにスケジュールを立てる
外出や旅行などで気分をリフレッシュすることは、心身の健康にも繋がるでしょう。
事前準備をしっかり行い、豊かなシニアライフを送ってくださいね。